第52回神奈川建築コンクール 住宅部門優秀賞受賞
<団塊世代の建て主のための小さな家>
10月31日に神奈川建築コンクールの表彰が神奈川県庁で行われ、住宅部門で優秀賞に選ばれました。
神奈川建築コンクールは神奈川県と12市が主催し、今年で52回にもなる歴史ある賞です。建築主、施工者、設計者の3者が一緒に表彰されることにも特徴があります。
当然ですが、建築は設計者の力だけでできるものではありません。いい建て主にめぐり合い、いい施工者の手とともに成し遂げられます。3者の共同作業です。その意味でも3者がそろって表彰対象になることはいいことだと思っています。
かつて東京に勤務していたときは、住宅の設計だけでなく、大きな公共施設、専門的な施設まで設計し、全国あちこちを飛び回っていたことがありました。移動中の飛行機や新幹線の中で計画案のスケッチやメモを描くことはよくあることでした。そのようなとき、ふとした瞬間に地に足が着いていないように感じることがありました。これでいいのだろうかと。もっと住む人、使う人の喜びを身近に感じながらじっくりできないものかと。
今では、一日の多くの時間をこの湘南の地で過ごすようになりました。これまでの経験を活かしながら、建て主自らの手づくり的なレベルから、より専門的な解決までふところ深く対応できればと思っています。そして、生まれ育ったこの地で一つひとつを大切にして、少しでも地域に役に立っていければと。
そのような思いで設計をしてきましたので、住宅部門での受賞はこれで2度目になりますが、地元での受賞はうれしいものがあります。
今回、受賞の対象となった家は団塊世代のご夫婦のための小さな家です。小さくても、工事にかかわった職人の方々、協力していただいた技術者、専門家など多くの人々の誠意が結集されました。感謝 (2007.11.小原沢
俊之)